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床下エアコンと大きな吹抜けのある木の家

埼玉県さいたま市

床下エアコンと大きな吹抜けのある木の家

高気密・高断熱で木の家を建てたいと、遠く沖縄からお問合せいただいたのがI様との出会いでした。

住宅設計の仕事をされている奥様とプランのやりとりをはじめ、実施設計のお打合せから現場へと繋がれたお施主様の想いが形になったお住まいは、無垢の杉床の足触りと床下エアコンが実現されました。

UA値0.42w/㎡k、C値0.3c㎡/㎡、許容応力度計算による耐震等級3を取得し、太陽に素直な設計で床下エアコンを仕込んだ高気密・高断熱の木の家が出来ました。
ぜひ最後までご覧ください。

建物面積
1F:59.62㎡/2F:49.68㎡
延床面積
109.30㎡(33.06坪)
敷地面積
198.19㎡(59.95坪)
建築年月
2023年11月

外観

片流れ屋根のシンプルな外観にまとまりました。
外観ありきの形状ではなく、ロフトの位置と広さ、日射遮蔽をする為に庇を設置したりと、意匠と性能と使い勝手を踏まえた上での外観を整えるのが大切だと思っています。

吹抜けの窓は室内側に電動ハニカムシェードを設置し、夏の日射対策を施しています。

玄関庇は設計士である奥様のご希望と、うちの実施設計スタッフの提案で薄くシンプルなディテールで納まりました。
木目の軒天と玄関ドアが良いアクセントになってシンプルながらも存在感のある玄関ポーチに仕上がったと思います。

玄関ホール

玄関ホールは階段形状を工夫し、コンパクトながらも広さを感じられるスペースとしました。
階段をスリット形状にして抜け感を出し、シンプルなアイアン手摺で主張を押さえました。
アイアン手摺としても、手が触れるところは木で仕上げるのがポイントです、こうすれば冬冷たく感じません。

土間収納スペースとホール収納も設け、収納力も抜群です。

リビング

6帖分の大きな吹抜けがあるLDKは、太陽に素直な設計で冬は太陽熱をたっぷりと取り込みます。

この熱量を逃がさないためには、断熱性能が高いだけでは実現しません。
隙間のない家をつくる気密性能がとても大切です。
気密性能は施工中に測る実測値ですので、隙間のない家を丁寧につくる施工力が肝になります。

昭栄建設の注文住宅は、自社専属大工と社員大工の手で、皆様のお住まいを高品質でお届けできます。

さいたま市で冬至の太陽光角度は約33度なので、高さ2mのサッシをつけた場合最大で3mちょっと奥まで陽が届きます。
この家は2.2mのサッシをつけていますので、もう少し奥まで入ります。
太陽の力は偉大です、冬は出来るだけ取り込んで暖房費の節約に、そして夏はきちんと日射遮蔽して冷房費の削減が出来るように設計しましょう。

ちなみに吹抜けの窓も合わせると南面LDKの窓面積は13.73㎡、ここから得られる太陽の熱量は2,500W弱の熱量となります。8帖用エアコンが2.5kwなので、8帖用エアコンを無料で運転しているようなものになるということです。

畳スペースは小上りとして、引出し収納を造作しました。
3か所造作しましたので結構な収納量が確保できます、お子様のものを仕舞えてすぐ出せる、優れものです。
化粧で表しの柱が印象的に仕上がりました。

格子を設置しているところに床下エアコンが仕込んであります。
冬、床下に暖気を吹き込み床暖房のように使います。
電気式床暖房は1wの電力で1の熱しか作れませんが、床下エアコンは通常の壁掛けルームエアコンです。
1wの電気で3~5くらいの熱を作ることが出来て最も経済的な暖房器具です。

床下に吹き込んだ暖気を、各所に設けたスリットから吹き出します。

これがとても心地よく足元から暖めてくれます。
お引渡し後に床温度を計測させていただきましたが、キッチンや玄関・洗面所にもきちんと暖気が回っていて暖かく安心しました。

キッチンのパントリー

キッチン奥に設けたパントリー収納は可動棚とし、置くものに合わせて調整いただけます。
見せる収納は固定棚として意匠性を持たせ、使い勝手重視の部分は可動棚とするのが昭栄建設の注文住宅です。

トイレ

縦長スリット窓に間接照明と、木製の棚を造作したトイレスペース。

アクセントクロスとタンクレスで落ち着きのあるスペースになりました。

洗面脱衣スペース

洗面台はフロートタイプのシンプルなもので、将来幹太くんを設置出来るよう洗濯機スペースにガス配管を設置しました。
将来を見据えて設計できるのが注文住宅の良いところだと思っています。
思いついたことやこうしておいたら便利かな?など、お気軽にご相談いただければと思います。

天井につけた物干し金物がマットブラックで、よいアクセントになりましたね。

2階ホール

シナベニヤの目透かし天井とアイアン手摺、シンプルな壁付けブラケット照明で建築感のある仕上がりとなった2階ホールは、吹抜けに面していて家族の雰囲気がつながります。

吹抜けは温熱環境的にも対流が起こって空気が循環しやすくなって良いですし、家族をつなげる装置でもあります。
もちろん断熱・気密がしっかり造られていることが前提です。

吹抜けは寒いからと諦めるのはもったいないです、ぜひご相談ください。

ホール照明

最後に、お施主様支給のホール照明。
真ちゅう製の「千sen」という商品で、光と影が良い感じに仕上がりました。
壁付けの灯りで重心を下げると、とても居心地よい雰囲気になるのでおススメです。

 

最後に。

出来上がったお住まいと全然違いますが、隣地環境を検討して初回ご提案させていただいたプランです。
隣地建物のおおよその高さを想定して、どのように影が落ちるか。
それを検討してプランを練るのが昭栄建設の注文住宅で大切にしている、太陽に素直な設計です。