-昭栄のつぶやき-Life Column
開口部と照明には、それぞれ役割があります。
「明るくする」
という役割に注目しがちですが、私はそれ以外の役割も大切だと思っています。
開口部は他に
「日射を取り込む」
という役割があります。
これはいつも言っている、冬の日射を取り込み夏の日射を遮る、という、太陽に素直な設計のことです。
次に
「抜け感」
これは感覚的なことだと思われがちですが、プランの段階で自分の中ではある一定のルールが存在しています。
隣地と道路などの周辺環境、建物配置。
家のこの場所に立った時の自分の目線、壁、部屋。
そんなことを考えながら、抜け感ある開口部を設計しています。
最後に建築基準法
「採光・換気・排煙」
をクリアすることが必要になるのが開口部。
照明器具は
「たまり」
をつくる役割があると思っています。
照明の重心が低いところにたまりが出来て、とても居心地の良い空間が生まれます。
ダイニングのペンダントライトも、そこにたまりができて、家族での食事時間がとても居心地良くなります。
壁付けのブラケットも、例えば畳スペースの低い位置に設置すると、きっとそこに座って本を読んだり寝転がったりしたくなるはずです。
そんな想いを形にさせていただき、このようなしつらえになりました。
日中は掃き出し窓から入る日差しで、ぽかぽかと暖かく。
夜はペンダントライト(PH5)でぐっと重心が下がった灯りのもとで、家族そろって楽しい夕食。
朝目覚めると、遠くの景色まで目線が抜ける水平横長窓。
開けすぎず、閉じすぎない。
明るすぎず、暗くない。
外食が減って、家でご飯を食べることが多くなったり、出掛けるよりも家でゆっくり過ごす休日が多くなったり。
そんな暮らしをしていただきたいと思い、ずっと設計をしています。